新卒1年目女子のリアルな悩みとは?

大きな“希望”と少しの“不安”をもって昨春に入社した新社会人たち。それから約10カ月が過ぎ、彼ら・彼女らは今どんな思いで仕事に取り組み、どんな悩みを抱えて日々を過ごしているのでしょうか。今回は異業界で働く新卒女子2人に話を聞いてみました。

今回話を伺ったのは、出版社に勤めるWさんと、渋谷区の広告代理店に勤務するSさんの2人です。聞き手は編集長の小山田が務めます。

出版社勤務のWさん(左)と、広告代理店勤務のSさん

Wさん(以下、敬称略):私はコミック雑誌の編集部に在籍しているのですが、とにかくエンターテイメントが大好きで。漫画やテレビ関係など、自分がわくわくできるものを仕事にしたかったから、今の会社に入りました。
Sさん(以下、敬称略):社員20人ほどの広告代理店で、プロモーションイベントや館内施策などをクライアントに寄り添い、最善の形で展開するというトータルプロデュースをしています。私が就活していた時の軸は、“人を笑顔にする仕事に就きたい”ということでしたが、実際、今の仕事では目の前で楽しんでくれている人の姿を見ることができています。

スケジュール管理がとにかく苦手

「人の笑顔が見たい」と語るSさん(奥)

早速ですが、お二人ともお忙しそうな業界ですが、現在働いていて、大変だと思うことや、困っていることはありますか?
S:やろうと思っている仕事をその時間内に終わらせられないこと。最初は終わらな過ぎて、いつも仕事の事が気になって、休んでる気がしない……ってくらい、付いていくのに苦労しました。
W:私も、スケジュール管理が苦手です。私の場合は自分のスケジュールだけではなくて、クライアントさんとのやり取りが発生するので、そこも加味してっていうのが……
S:わかります! 製作物とかチラシとか、別会社の方との調整が難しくて。
W:そうなんですよね。自分の管理もできてないのに、みたいな……。周りの先輩が、仕事もきっちり終わらせて、プライベートも充実させているのを見ると、経験の差を感じます。しかも、それをどう終わらせてるのかっていうのも、どう聞いていいのかわからない……。

スケジュール管理が課題ということなんですね。入社して最初にぶつかった「壁」って何かありましたか?
S:はじめてだらけなので、とにかくなんでも壁でした(笑)。今は慣れてきましたけど。
W:学生の時には聞いたことのない専門用語などを理解するのが大変でした。仕事と並行して、本を読むなどして勉強もしました。あとはわからないことは、すぐ聞くようにしています! 2年目、3年目になると聞きづらくなってしまうので……。

電話やメール応対は、社会に出てから初めて覚えることだと思いますが、どうでしたか?
W:電話はめちゃくちゃ困りました。普段使っている携帯電話は、かけてくる人の名前が出るのでいいんですけど……会社の電話ってそうじゃないじゃないですか。据え置きの電話ってほぼ使ったことなかったですし。受け答えどうこうより「私が取らないと」とはわかってるのに怖くて取れなかったです。とはいえ、こなしていくたびに自信もついてきました。メールは、大学の時にインターンなどをしていたので、その時に勉強していたことが今に活きています。
S:わかります! 私は、新卒2人同じ部署なので、「できればあなたが取って!」的な空気をお互い出してたりします(笑)。メールは上司の文面を真似して覚えました。

仕事ができるようになるためには?

「スケジュール管理が大変」と語るSさんとWさん

与えられた仕事や業務ができるようになるために、何か工夫していることはありますか?
W:自分の中で完成のハードルを高くしてしまうことで、とても時間がかかってしまうことが課題なので、「ここまでやったら終わり!」という自分の中での区切りをつけられるように心がけています。
S:わからないことはすぐに聞いています。新たに関わる仕事はわからないことだらけなんですけど、周りに相談するように、報告・連絡・相談はしっかりするようにしています。あとは、チーム内で認識の齟齬(そご)があって失敗する、ということがないように、上司だから言いづらいとか遠慮せずに、できるだけ認識のすりあわせをしています。

ちなみに、疲れやストレスが溜まったときの解消法って何かあるんですか?
W:私はもうカラオケ! あとはお笑い番組を見ることです。悩みやストレスがどうでもよくなります。あとは、友人との電話ですね。仕事の愚痴とかではなく、日常のおもしろいこととかをとにかく話しています。
S:私も似ているんですけど、同期と飲みに行くことです。休日は友だちと出かけること、そして寝ること(笑)。寝ると全部忘れられます。
W:わかります~!!
S:同じ立場の人から意見をもらうと、ビビッとくるような意見をくれることもたくさんあります。

入社当時に描いていたこととのギャップや違いはありますか?
S:広告代理店って華やかな職種だと思っていましたが、想像以上に雑務が多くて! トータルプロデュースをしているので、細かいところでいうと、ケータリング発注から、控室の準備や台本やらやることが予想以上に多かったです……。そこが現実に直面した瞬間でした。
でも、自分が作ってきたものが形になったときの達成感は、入社前に考えていたものの比ではなかったです。お客さんが笑顔でイベントを楽しんでくれている姿を見ると、やってよかったなって。
W:雑誌編集のイメージはめちゃくちゃ変わりました! 編集部や月刊、週刊によりけりなところはあるとは思いますが、デスクはぐちゃぐちゃ、夜も帰れない、寝れない……みたいな。当時はそれをかっこいい、なんて思ってましたが、今の編集部の先輩を見ていると、スケジュール管理完璧だし、デスクも整頓されているし……、そういう姿を近くで見ていると、こういう姿も素敵だなって思うようになりました。

学生のうちに、「これは負けない」という特技を

「わからないことがあったらすぐ聞くようにしている」と話す二人

今、振り替えってみて、「学生時代にもっとこうしておけばよかった!」と思うことがあれば教えてください!
W:いっぱいあります! もっと勉強しておけばよかった。特に、一般常識、世界情勢など、知っておけばよかったです。あと英語!
S:わかります。私の会社、英語のチラシなども作ることがあるので。
W:あとは、これは負けない、みたいな特技をもっと作っておけばよかったって思います。例えばパソコンとか。今はどんなことにせよ教えていただいてばかりなので、パソコンが詳しかったりとか、自分の知っている知識で少しでも目上の方に教えてあげられればって。
S:私は、人脈広げればよかったな、と思います。遊びに行って繋がる、とかでもいいんですけど。なので最近は取り返すかのように、休日はいろいろなところに遊びに行っています(笑)!
W:私は逆に会社に入ってから人脈がいっぱい広がりました! 「学生」という肩書きだけでは話せなかった人と、社会人になって話ができているときは、「会社に入ってよかった」と思います。

数年前の、新社会人になる自分に向けて、もし何かメッセージを伝えるとしたら?
S:とにかくいろんなことを経験した方がいいと伝えたいです。アルバイトも遊びも勉強も……とにかく経験!してください。
W:社会人としての仕事は、不安なこともあるけど、得られるものも非常に多くあります。今は今で楽しいので、安心してほしいです。

最後に、今後頑張っていきたいことなどがあれば教えてください!
S:教えていただいたり与えられたものをこなすだけではなく、こちらから提案して変えられるようになりたいです。自分が作ったものを直接お客様のところに届けられる仕事なので、そういった機会をもっと増やしたい。あとは自社で企画しているイベントにもっと自分の意見を反映してもらえるようにがんばりたいです。
W:う~ん……今は、今後のキャリアのこととかも、目の前のことでいっぱいいっぱいなので、考えるゆとりを作りたいです!

お二方、貴重なお話をありがとうございました!

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